魔界へ行ったよ③
何の前触れもなく話が進む時がある
虚空をふわふわ漂うような空気のレースの中を
ゆっくり右足から前に踏み出した
床は音を出すことなく
また柔らかいわけでもなかった
数歩進むともう彼女のベッドの横にっ立っていた
彼女は冷静に私のことを見つめていた
キスしてもいいですか?
彼女の目が同意する
ベッドに手をつき体を支えながら
ゆっくり唇を合わせる
そしてゆっくりと離れる
私は開口一番
ところであなたは魔法使いですよね?
年齢も相当なものだと思うが
間違っていますか?
彼女は少し口角を上げてフッと鼻から息を漏らした
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