魔界へ行ったよ⑪
枯れ木と樹の皮で作った質素な塒は
火の光がもれないようにそれなりに造ってありました
火は温かい・・・
多すぎる火は人の心を狂わせる・・・
とある夜そのようなことを思いながら暖を取っていると
近くに足音らしき物音が聞こえます
村を出てから三千四百の日が登った夜でした
こんな夜になんだろう?
この足音は鹿かな?
足音は近くまで来るとドサッと音を立てて
地に倒れ込んだようでした
恐る恐る外の様子を伺うと
自分の身の丈より倍以上大きな1頭の鹿が倒れていました
月明かりで観てみると折れた枝が胸に刺さっていました
鹿の周りを見回すように歩き
胸に刺さった大きめの枝を抜いてやりました
暴れる様子もないようなので
薬草練って作った薬を水に溶いて傷に流し込みました
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